広いノド、狭いノド/大きい口、小さい口
2019/04/01
「ノド」「口」と言っても、人体の「喉」「口」のことではありません。
本を開いた時、綴じてある部分(内側)の余白のことを印刷用語で「ノド」と呼びます。
また、外側の余白は「小口」と言います。
ノドや小口といった余白は、本の読みやすさを左右しますし、余白の取り方で本のイメージはグッと変わります。
最適な余白のサイズは、本の内容と紙の大きさで決まります。
文字主体の本で、サイズが大きい場合、大きな紙に小さな余白だと、紙面いっぱいに文字をギュウギュウ詰め込んだ感じがしますし、視線を動かす領域が広くなるので、今どこを読んでいるのか途中で分からなくなることもあるためで、ノドや小口は大きめに取ります。逆に、辞書のノドや小口はギュウ詰めですね。
逆に、小さな紙に大きな余白だと、一頁あたりの情報量がとても少なくなってしまいます。
大きな本でも、絵や写真など図版中心の場合や、文章と図版を上手にレイアウトしてある場合は、余白をあまり取らず、ページいっぱいに図版を見せることも。
また、ページ数でも最適な余白は変わります。
本が厚くなればなるほど、つまりページ数が増えれば増えるほど、本を開いた時に見えなくなる部分は大きくなりますので、広めに取ったほうがよいのです。
お手元のいろいろな本で、ノドや小口のサイズをチェックしてみてください。
きっと、最適な余白が取られていることでしょう。