紙に耳あり、紙に目もあり

紙に耳あり、紙に目もあり

紙に耳あり、紙に目もあり

2019/05/01

 

前回の、本のノドや口に続き、紙に耳や目があるのをご存じでしょうか。

 

紙の耳とは、実際に使用する際には切り落としてしまう端のことを言います。製紙工程でできる部分で、ヒラヒラしていたり、ギザギザしていたりします。サンドイッチを作る時のパンの耳と同様、実際に紙を使う際には切り落とします。
画材店で売られている水彩画用の紙や和紙などは、耳つきのままの状態のこともあります。作家さんが自分の好きなサイズにカットできるよう、製紙の状態のまま売っているのでしょうね。

 

紙の目とは、繊維の流れる方向です。製紙工程で、パルプの繊維が機械の流れる方向にそろうことで、「目」ができます。
繊維の流れが、紙の長いほうの辺(縦)に平行になっている時、「縦目(たてめ。T目とも書く)」と言います。反対に、長いほうの辺に垂直になっている時、「横目(よこめ。Y目とも)」と言います。

 

新聞紙を縦目に裂けば、きれいに裂けます。横目に裂くとギザギザになったり、曲がってしまったりします。
画用紙を折った時、折りやすい方向が縦目です。横目に折ると折り目がデコボコになります。
どちらも、皆さん経験があると思います。これ、パルプ繊維の流れによって起こる現象なんですよ。

 

上製本をはじめとする本を作る時は、紙を縦目にします。
印刷機に通す時や、刷り上がった紙を中心で折る時に、きれいに仕上がるからです。
また、縦目で製本した本は、ページがめくりやすくなります。
印刷に携わる人間は、美しい仕上がりのために、常に紙の目をしっかり見極めているのです。

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