読みやすい文章とは
2025/07/01
本を書こうと考えている人なら、ある程度、文章に自信があるはず。
分かりやすい文章や読みやすい文章とはどんな文章なのか、改めて考えてみましょう。
簡潔さが一番
その長文、個性?
分かりやすい文章も、読みやすい文章も、一番の特徴は簡潔であることです。
A) 昨日は食べ放題ランチに行って食べ過ぎたので胸やけがするため、今日は素うどんやおかゆなど消化の良いものを食べようと思っていたのだが、妻の作るカレーの良い匂いには逆らえなかった。
B) 昨日は食べ放題ランチに行って食べ過ぎたので、今日は胸やけがする。素うどんやおかゆなど、消化の良いものを食べよう。そう思っていたのだが、妻の作るカレーの良い匂いには逆らえなかった。
同じ内容ですが、読みやすいのはBです。一つひとつの文章が短いためです。
さらに短くしてみましょう。
C) 昨日は食べ放題ランチに行った。食べ過ぎた。今日は胸やけがする。消化の良いものを食べよう。素うどんやおかゆなどだ。しかし、妻がカレーを作っている。良い匂いだ。逆らえない。
ここまで細切れにすると、筆者の個性を強く感じますね。
読みやすい文章と、個性的な文章は、必ずしも一致しません。Aのような長文も、個性であるとも言えます。
ただ、多くの人に読んでもらいたいのであれば、Aのような「個性的な長文」よりも、Cのような「個性的な短文」のほうが歓迎されるでしょう。
読みやすさの目安のひとつに、「外国語に訳しやすいか」というものがあります。
あなたの書いた文章を、自動翻訳にかけてみてください。英語でもフランス語でもドイツ語でもかまいません。
そしてできあがった外国語の文章を、逆に日本語に翻訳させてみてください。
もともとの文章とニュアンスが近ければ、分かりやすい、読みやすい文章です。
日本語は、主語がなくてもある程度、意味が通じる言語です。
ただ、適切な箇所で主語を明記したほうが、読者に対して親切ですし、文章が引き締まる効果もあります。
上記の文例で言えば、
B) 昨日、食べ放題ランチに行って食べ過ぎたので、今日は胸やけがする。素うどんやおかゆなど、消化の良いものを食べよう。そう思っていたのだが、妻の作るカレーの良い匂いに私は逆らえなかった。
1箇所だけ、「私は」を入れてみました。いかがでしょうか?
音読・査読・校正でさらに磨く
主語と述語は一致しているか
項でも述べたとおり、日本語は主語がなくても成立する言語です。
ですので、書いているうちに主語がなんだったか、書いている本人も忘れてしまうことが起こりえます。
D)化粧に時間がかかって家を出るのが遅くなり、渋滞にはまっているうちにだんだん夫と気まずくなってしまって、運転するのも疲れてしまったが、ラジオをつけたらたまたま夫の好きなクラシック音楽が流れてきて、機嫌が直った。
上記の例は、主語は「私(妻)」なのですが、最後は夫の機嫌が直った描写になっていて、文章の途中で主語が入れ替わってしまっています。
このようなミスを防ぐには、こまめに主語を書き入れることです。
E) 私は化粧に時間がかかって家を出るのが遅くなり、渋滞にはまっているうちにだんだん夫と気まずくなってしまって、私は運転するのも疲れてしまったが、私がラジオをつけたらたまたま夫の好きなクラシック音楽が流れてきて、夫の機嫌が直った。
しかるのち、不要な主語を削除していきます。そして、必要があれば、文章を分けます。
F) 私の化粧に時間がかかって家を出るのが遅くなり、渋滞にはまっているうちにだんだん夫と気まずくなってしまって、私は運転するのも疲れてしまった。ラジオをつけたらたまたま夫の好きなクラシック音楽が流れてきて、夫の機嫌が直ってホッとした。
いかがでしょうか? これなら一貫して主語は「私」です。
音読・査読が効果的
自分で書いた文章が読みやすいかどうか、自分ではなかなか分かりません。
そんな時は、音読してみてください。読点「、」で1秒、句点「。」で2秒、止まるようにすると、文章が長すぎるかどうか、分かります。
また、主語と述語が一致しないのは、自分ではなかなか気づけません。自分では分かっているからです。そんな時は、友人や家族など、身近な人に「査読」してもらうと良いです。
「分かりにくいところがあったら、どんなに小さなところでも、絶対に教えてね」
と頼んでおきましょう。指摘があったら、
「そこは、こういう意味なの」
と説明したくなりますが、説明はあと。まず「ありがとう」と言って下さい。そうすれば、相手も安心してあなたに協力してくれます。
印刷されて初めて気づくミスもあります。
ダブルでは、著者さまに2回、校正をしていただいており、安心できるとご好評をいただいております。



