株式会社ダブル

旅行記を書こう-2

コラム用(画像巻き込みあり)

旅行記を書こう-2

2025/10/01

楽しかった旅行をすてきな紀行文にしてみませんか。
家族旅行、一人旅、留学、ワーキングホリデーなど、それぞれの旅にそれぞれの物語があります。
自分の思い出を書き留めるだけでなく、貴重な経験を周囲の人に伝えられると良いですね。
今回は、旅行記の書き方のコツをお伝えする第2回目です。

旅行記の文体のコツ

五感の描写で臨場感

五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚です。
旅行記を書くときは、この5つを意識して文章を書くと、臨場感が増します。

景色を描写するなら、色や形をわかりやすく。意外と読者の理解を助けるのが、「大きさ」についての描写です。
さらに、その時に聞こえた音があれば、それについても描写するといいですね。風の音、波が打ち付ける音や川のせせらぎ、鳥の声、あるいは市場の賑わい、歌うようにあるいは叫ぶように聞こえる異国の言葉。
その土地ならではの香りはありましたか? 磯の香りや動物たちのにおい、静かな境内でどこからか流れてくるお香の気配。
触覚はちょっと難しいかもしれません。でも、「ハンドルを握る手が汗ばんでいた」「10月でも砂浜は熱かった」「風が冷たかった/熱かった/鋭かった」などちょっとしたことでも、書かれていないのと書かれてあるのとでは、印象が全然違います。
味覚は言わずもがなですね。ご当地グルメについて、思いきり食レポしてください。

その土地ならではの体験を、この5つの視点から書いてみましょう。
 

一番大事なのはその時の気持ち

五感に基づいて旅先の情景を描写したら、「その時にあなたが何を感じたのか」を最後に書いて、その項のまとめとします。
旅行記とはいえ、旅先がどんな様子だったかを書くだけでは、ガイドブックと変わりません。あなただけの描写、あなただけの心の動きが、旅行記を旅行記たらしめるのです。

例)
 羊の群れのなかに、一匹、私の目を引く子羊がいた。ほかの子羊にくらべ、毛量が多いのかとにかく丸く、毛の色は暗め。よく跳ねるので、グレーの毬が弾んでいるようだった。鳴き声もひときわ甲高く、声でどこにいるのかすぐ分かった。
 ふれあいパークだったので、そっとその子に手を伸ばすと、人に慣れているのか、なでられても動じない。思いのほか毛はごわごわしていて、羊特有の濃い香りが私の鼻腔をつく。目が合うと、例の甲高い声で「メエ」と短く鳴いてくれた。
 種は違うけれども、子どものころに飼っていた黒猫の「ラブ」を思い出した。最近はラブのことを思い出すこともほとんどなくなっていたが、この日をきっかけによくラブを思う。同時に、ラブを可愛がっていた母のことも。
 毎晩、ラブが母の布団に入るので、「また子育てしているみたいだわ。お前も小学校に入るまでは毎晩、私の布団で一緒に寝ていたのよ」と笑っていたことなど、忘れていたことまで思い出した。還暦も過ぎて「どうぶつふれあいパーク」なんて恥ずかしいと思っていたが、孫と一緒に入って良かったと思っている。
 

これから旅に出るのなら

最後に並び替え

初日から最終日までを、順に書く必要はありません。思い出すままに、印象深かったところから書けばよいのです。
だいたい全部書き終わったと感じたら、旅程に沿って並び替えます。旅行記は、自分史や小説と違って、項目のつなぎが不自然ということもあまり起こりません。
ただ、前日から翌日へのつながりがある場合は、書き添えると楽しくなります。

例)初日の失敗を踏まえ、2日目の今日は早く起きて、朝食バイキングでは、全員が一緒に座れる席をしっかり確保した。海が一望できる、窓際の良い席である。あいにくの小雨だったが、雨に煙る海も良いものだと思った。

執筆の視点で

旅行記を書くときというのは、旅から帰ってから「良い旅だったから、文章にまとめようと思い立った」ということが多いと思います。
それで一冊書いてみたら、次の旅からは、
「この旅から帰ったら、旅行記を書こう」
と最初から決めてみませんか。
すると、いつもとは違った視点で旅が楽しめるかもしれません。
楽しかった会話を忘れないようにメモしておいたり、写真を撮るタイミングをいつもと変えてみたり。

冒頭でご紹介した「五感」も、忘れないようにメモしておくと、あとで書きやすくなります。ペンとノートを出すのが大変な場合は、ボイスメモがおすすめです。ネックストラップでICレコーダーを常にぶら下げておいて、「〇山動物園のふれあいパーク。羊かわいい。猫の『ラブ』を思い出した」と簡単につぶやいて録音しておくだけで、のちのち、文章を書く時の助けになるでしょう。
ICレコーダーを用意しなくても、スマートフォンの録音機能でもいいですね。また、動画を取りながら実況中継すれば、あとで動画から写真が切り出せるし、ボイスメモにもなるしで、一石二鳥です。

ぜひ、旅行記に挑戦してみてください。


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