著作権の全体像を理解することで自信を持って出版活動を楽しめます
文化的な著作物には著作権があり、細かなルールに関してはご存知ない方が多いかもしれません。
自分史や小説、絵本や写真集など、ご自分の著作を出版したいとお考えの方にとって役立つ点を説明しておりますので、参考になさってください。
著作権とはなにか
著作権とは、人の感情、思想、考えなどを創作的に表現したものに発生する権利です。自己の著作物を勝手に改変されないための権利、公表するかしないかを決める権利として著作者を守るルールです。
文芸、学術、美術、音楽など、様々な分野の創作物に対して自然発生する権利であり、具体的な申請や手続きは必要ありません。
発生するものとしないもの
小説、エッセイ、論文、脚本、詩や俳句といった文章が関わるものをはじめ、楽曲、歌詞などの音楽、踊り、絵画、彫刻、マンガや書道には著作権が発生します。
さらに、芸術的な建築物、地図、映画、ドラマ、CM、アニメ、ゲーム、写真、コンピュータプログラムやアプリにも発生します。
一方で、事実の伝達にすぎない報道、法律、法令、行政機関の告示、通達や裁判の判決などは著作権とは無関係です。
著作権法第10条~第12条で、著作権の発生するものとしないものについての定義が述べられていますので、気になる方はご参照ください。
著作権の保護期間について
日本を含む世界のほとんどの国が、国際的な著作権保護の条約に加入しているため、外国の著作物でも国内の著作物と同様に保護されます。外国の著作物を利用する場合には、その国の保護期間分が適用期間となります。
細かい点ですが、海外の著作物については「戦時加算」という決まりがあり、決められた日数を加えて計算しなければなりません。また、翻訳権については、「戦時加算」に加えて6ヶ月の保護期間を追加することも定められています。
音楽が関係する著作物について
著作物を自由に使用してよい場合
著作権者が亡くなって50年以上が経過している古典作品のように、著作権の保護期間が切れているものに関しては、誰でも自由に利用が可能です。
著作権の保護期間内であっても、私的使用目的や図書館、学校といった教育機関での複製、規定を守る場合に引用として他人の著作物を使用することができます。