理解しやすい文章で執筆者のメッセージを的確に伝えましょう!
活字だけで著者の想いやメッセージを正確に伝えるためには、読み手が読みやすく、理解しやすい文章を執筆する必要があります。あらゆるお客様の自費出版を応援してきたJIBUN出版には、読み手に伝える「良い文章」に関して蓄積されたノウハウがあります。
こちらでは、ジャンルに関わりなく優れた文章を書くための基本的な要素についてご紹介しておりますので、執筆活動の参考になさってください。
基本となる文章作法から、作成・推敲の際に注意したい点まで、詳しく解説いたします。
基本的な文章ルール
各段落の文頭は1文字分空ける
本文の始まり、段落の変わり目では、文の頭に1文字分の空白を入れるのが基本です。ワープロソフトを使用する場合には、インデントの設定をすることにより、毎回スペースで空白を挿入する手間を省くことができます。
カギカッコの使い方について
登場人物が会話している部分には「」(カギカッコ)を付け、1番上のマスから書きます。なお、1文全てを「」でくくる場合には、前後に句点を打つ必要はありません。
三点リーダとダッシュについては2文字分使用する
…(三点リーダー)や、棒線(ダッシュ)は2字分のマスを使うのが基本です。 長い沈黙を表現する場合にも2文字分を1セットとして、「……」といった具合に必ず偶数になるようにします。
「!」や「?」の適切な使用方法
「!」や「?」の前後には句読点は付けず、その後は1文字分空けるようにします。セリフの最後をカッコで閉じる場合は、空白を入れる必要はありません。
漢字や数字は統一させる
「制作」と「製作」のように、似たような意味があるものの、厳密には異なる場合は混同しないようにします。また、「水漏れ」と「水洩れ」のように、同じ意味でも違う漢字を使用しないように注意しましょう。
また、漢数字と算用数字を混ぜないことによって、文章内での統一性を保たせて、読みやすさをアップします。
漢数字とアラビア数字の使い方について
縦書きの場合には一般的に漢数字を使います。漢数字を使用する場合には、単位語を入れたり省略したりする表記がありますので、それぞれを混在しないようにします。西暦、少数、郵便番号などには単位語は入れない場合があります。
横書きの場合は、アラビア数字の方が読みやすいと言われています。全角数字と半角数字の不統一によって読みにくくなることや、「一人前」のように他の数字には置き換えができないケースでは、漢数字を用いる言葉もありますので、注意が必要です。
読みやすい文章の書き方
句読点を必ず入れる
文の終わりに打つ「。」が句点、文中で文章を読みやすくするために入れる「、」が読点です。
読点は、原則として長めの主語を示した後や、対になる関係の物事を並列する場合、原因と結果の間、逆説と関係の間、誤読を避けたい場合に打ちます。
あまりに多くの読点を入れすぎますと、読みづらさが増しますので注意が必要です。
主語や述語について
前文の主語と同じワードが主語となっている場合には省略することにより、不自然な印象を与えないようにできます。また、主語と述語の間にあまりにも多くの修飾語が入ることで意味が伝わりにくい文章になりますので、なるべく近距離に配置できるよう工夫しましょう。
修飾語について
「の」「は」「が」の使用に注意して繰り返しを避ける
意味が重ならないように気を付ける
「頭痛が痛い」「後から後悔する」のように、意味が重なる「重複表現」はしつこく、幼稚な印象が拭えません。丁寧に述べようとすればするほどミスしやすい分野ですので、細心の注意を払いましょう。
記号の使用回数に注意する
()、?、!といった記号が頻繁に出てくる文章は稚拙になってしまうことや、大げさになってしまうことで、読み手に違う印象を与えることになってしまいます。
文章の見出し、会話のセリフ、引用以外では記号を使用しないのが最善です。特に、補足で使用する()は、別の表現で言い換えられないかを考えてみましょう。
尊敬語や謙譲語を正しく用いる
「ら」抜き言葉は文章としては誤り
「など」の正しい使い方とは
例を表す場合に使用する「など」は単独使用では使いません。必ず2つ以上の例を挙げてから「など」と記すようにしましょう。
また、何かの性質を表す場合に、「~などのように」と表現するかもしれませんが、その場合には複数の例を挙げることで「など」を省略できます。
語句を3つ以上羅列する場合の注意点とは
3つ以上の語句が並ぶ場合には、「と」「や」「および」といった言葉は最後の語句の前に置き、それ以外は読点で繋げます。
「北関東地方には、栃木、茨城や群馬が含まれます」のような使い方が最善です。
漢字と仮名の使い方について
あまりに漢字が多い文章は読みにくく、重い、硬いといった印象を与えます。その場合は、文章の内容、対象とする読者層などを考慮して、漢字とひらがなを首尾よく使い分けると良いでしょう。
また、「事」と「こと」、「物」と「もの」のように、特定できる場合には漢字を使い、抽象的で漠然としている場合にはひらがなを使うケースもあります。その場合でも、前後の文脈や読者に与える印象を考えて使い分けるようにしましょう。
大げさな言葉はできるだけ控える
「非常に」「最高の」「最低の」「とても」といった表現を多用し過ぎると、読者は冷めてしまいます。強調したい言葉がある場合には、代わりに具体的な説明を加えることで描写できます。
過去形の自然な使い方について
一般的に、現在のことは現在形、過去のことは過去形で書きますが、日本語には、この時制の一致が厳密ではないという特徴があり、厳格に意識するあまりかえって不自然な文章になるケースがあります。
また、一つの文脈の中で過去形と現在形を混ぜることによって変化がつき、臨場感が出る場合もありますので、読み手をうならせる文章を執筆するために意識してみましょう。
一つの文章を適切な長さにする
1つの文章があまりに長いと構造が複雑になり、読者が「理解しにくい」「読みにくい」と感じます。また、文法的な誤りも出やすくなりますので、同じことを述べる場合でも2つ以上に分割するように工夫をしましょう。
逆に、極端に短い文章が連続しますと、幼稚なイメージを与えてしまうため、長い文章と短い文章を組み合わせて、30~40字が平均となるように揃えると読みやすくなるでしょう。
表現をなるべく平易なものにする
格調高い文章、丁寧な表現を目指すあまりに、漢語調や文語調、慣用表現や四字熟語を多用するという落とし穴があります。論文や専門書といった難しいテーマの本では違和感がないかもしれませんが、一般的な書籍で難しい言葉が多すぎますと、読みにくく親しみにくい文章になってしまいます。
その本を初めて読む読者のことをイメージし、難しい内容をできるだけ分かりやすく伝えることを意識するのがポイントです。
効果的に文章を推敲をする方法
文章の推敲はある程度時間が経過してから行う
パソコンで作成したものを印刷して確認する
制作や修正はパソコン上で行うのが便利ですが、推敲をパソコン上でしようとしますと著者としての意識で読み、間違いに気付きにくくなると言われています。面倒でも紙にプリントアウトして視点を変えるなら、第三者の視点で確認ができ、間違いに気付きやすくなります。
声に出して読んでみる
実際に声に出して音読することで、文章のリズムやテンポの良し悪しに気付けるでしょう。声に出して読み進めるうちに「読みにくい」と感じた部分があれば、そこで修正できます。
第三者に推敲の協力をお願いする
長い文章になればなるほど、自分だけで間違いを見つけ出すのが難しくなります。家族や友人・知人など、周りの人に協力してもらうことで、間違いや読みにくい部分を見い出すことができます。
推敲を行う際にチェックできる点
文章主体の自費出版を行うにあたっては、お客様が読み手に伝えたいことがダイレクトに伝わるかどうかが重要です。
誤字・脱字、句読点、主語と述語の関係など、読みやすさを重点的にチェックしましょう。また、助詞、副詞、接続語が正しく使われているか、意図しない箇所で話し言葉を使っていないかといった点も確認できます。
文の長さやリズムにもこだわってチェックと修正を繰り返していくならば、理想通りの高品質な1冊を世へ送り出すことができるに違いありません。