「読みにくい」句読点!?
2018/09/01
まず、上記写真の文章をご覧ください。
読む前に、まず形に違和感を覚えませんか。
句点「。」と、読点「、」の配置が偶然、一文ごとに一字ずつ違うため、文章のかたまりがナナメに切れているように見えますね。
こういう版面(はんめん、はんづら)だと、形が気になって内容が頭に入らなかったり、読んでいる途中で次の行にワープしてしまったりするのではないでしょうか。
読みやすくするためにあるはずの句読点が、かえって妨げになってしまうこともあるのです。
書籍・新聞・雑誌など印刷物は、一行あたりの文字数が決まっています。
原稿をそのまま、一行あたりの文字数で機械的に区切っていくと、偶然こうなってしまうことは、実はよくあることなのです。
でも、ふだん目にする印刷物では、あまりこのような版面は見かけません。
それは、編集者やデザイナーが少し工夫をしたり、筆者が文章を手直ししたりするからです。
例えば新聞だと、「、」と「。」をところどころ半角にして詰め込んだり、文字の間隔を空けて一行当たりの文字数を部分的に変えたりします。
作家の京極夏彦さんが、句読点の位置やルビの振り方に注意を払い、また、見開きの最後で文章が終わるように工夫していることは、本好きの間ではよく知られています。
でもそれは、京極さんだからできることであって、大切な記録や思い出の文章、親しい人の遺稿などを本にしたい人にとっては、
「本にする予定はなかったので、句読点の位置は考えていなかった」
「大切な遺稿なので、一文字たりとも改変したくない」
という場合も多いもの。
しかし、ダブルでも、版面へのこだわりは誰にも負けません。
かつてデザイン事務所で京極さんと机を並べていたスタッフが、版面を担当しています。
長年の経験とそこから培った知恵を駆使し、魔法のような工夫をこらし、大切な原稿はそのままに、美しい版面を実現します。安心しておまかせください。