失敗しない自費出版
2020/04/01
(独)国民生活センターに寄せられる相談には、自費出版に関する相談が一定数あるということをご存じでしょうか。団塊の世代が定年退職を迎え始めた2005年から増えています。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20071109_1.html
第二の人生をスタートするに当たって、退職金を使って本を出版したいという人たちをターゲットに、悪質な商法が増えたようです。
契約まではマメに連絡が来るのに、料金を支払ってからは進捗状況の報告もなく、最悪の場合はいつまでも製本に着手しない、解約を申し出ても返金に応じないというケースもあるようです。
ここまで悪質でなくても、
・紙質が良くなかった
・表紙の紙がしっかりしていなくてヤワだった
・表紙の色が濃すぎた(または薄すぎた)
・本文の余白や行間・字間が広すぎた(または狭すぎた)
・しおりの紐のバランスが悪かった
・好きな色ばかり選んだら組み合わせが変だった
など、大小さまざまなところで「期待していたのと違う」「こんな貧相な仕上がりだなんて」という結果になってしまったという事例もよく聞きます。
主な原因は、業者とお客様の間で、意志の疎通ができていないことです。
例えば、お客様から、
「表紙の色はこれで、帯はこの色」
と注文されたとします。プロの目から見た時、それが不均衡であると思ったら、
「その色の表紙と帯を組み合わせると、こうなります。
このような色もございますが、この組み合わせはいかがでしょうか」
と提案することも大事なことです。ここで、「お客様がこれがいいとおっしゃっているのだから、いいのだろう」と言われた通りにただ作るのは、かえって不誠実です。
お客様が製本や印刷の専門家ではないのは当然なのですから、業者のほうから積極的に、お客さまがご存じないことを丁寧に説明したり、具体的な選択肢をたくさん示したりすることが重要だと、我々は考えています。
本を作る時は、分からないことや疑問に思ったことがあればすぐ相談できる業者を、ぜひお選びください。
ダブルでは、ベテラン職人が直接、相談にのり、お答えしております。ご来社いただいての相談も歓迎です。
電話やメールでのお問合せは、主に私たちが対応しています。
松本貢一
(まつもと こういち)
三平晋治
(みつひら しんじ)