難しい漢字、どうする?
2022/04/30
一生懸命書いた大切な原稿は、読者に正確に伝えたいものです。読み間違いを防ぐため、難読な漢字はなるべく使わない、使う場合はルビ(ふりがな・読みがな)を振るなど、読者の立場でちょっとした心遣いができると、より素敵な一冊になるでしょう。
漢字で書くか、ひらがなにするかの目安は「常用漢字表」が参考になります。
今回は、難読漢字を使いたい場合のルビの振り方もご紹介します。
一般的な漢字の目安「常用漢字表」
本を書くとき、漢字・ひらがな・カタカナをバランスよく使うと、紙面が落ち着いて読みやすくなります。
特に漢字は、義務教育で習うレベルから、ルビ(ふりがな・読みがな)がなければまず読めないようなものまで多種多様ですので、どこまで漢字で書いて、どこからひらがなにするか、迷うことも多いですね。
「一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すもの」(内閣告示)として、常用漢字が定められています(注1)。
常用漢字表にない漢字は、ひらがなで書くと読みやすくなります。新聞は基本的にこの常用漢字表に従って表記されていますので、新聞の文章をイメージすると分かりやすいでしょう。
注1:常用漢字表 - 文化庁
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf
固有名詞や故事成語は表外字も
常用漢字表にない「表外字」でも、人名・地名・団体名・作品名などの固有名詞、学術用語や文化・芸術用語の場合は、そのまま使ったほうが良い場合があります。
例:「國學院大學」「弥勒菩薩」「鍾乳洞」「嬰ハ短調」など
故事成語も、ひらがなで書くとかえって分からなくなりますので、漢字で書きます。
例:「臥薪嘗胆」「八面六臂」「右顧左眄」など
ちなみに、どれが表外字が分かりますか?
國 學 勒 菩 薩 鍾 嬰 臥 嘗 臂 眄
です。
國と學は、それぞれ国と学の旧字体ですが、旧字体も常用漢字表には含まれないので、表外字となります。
ルビの振り方
漢字で書いたほうが良いけれど、誤読は防ぎたいという場合は、ルビを振ります。
ルビの振り方にはいくつか決まりがあります。
・一文字ごとに読みが決まっている場合は、その通りに振る
例:伽藍、焙煎、漆喰、焼夷弾
・一文字ごとに振れない場合は、均等に振る
例:紅葉、大和、祝詞、時雨
・「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」には小文字を使う(出版社によっては大文字のこともあります)
・同じ章の中で同じ言葉が何度か出てくる場合は、初出にのみルビを振る。二度目以降はルビはつけなくてかまいません
・写真や図表の説明文などで行間が狭く、ルビが入れにくい場合は、「伽藍(がらん)」「焙煎(ばいせん)」のように、漢字のあとに( )で読み方を示す
※ ルビについてはこちらもご覧ください
https://double.tokyo/column/detail/20190701000017/
ダブルは組版のプロフェッショナル
ダブルのJIBUN出版は、印刷業50年の「本の製作」のプロ集団が、こだわりの原稿を素敵な本に仕上げるシステムです。
大手出版社や印刷会社で経験を積んだ熟練の技術者が、文字組みやレイアウトのお手伝いをいたします。ルビについても、気になることや分からないことがあれば、打ち合わせの際にお気兼ねなくお尋ねください。
【本文の原稿の説明】
https://double.tokyo/guide/setsumei27/