上製本だけにある「チリ」とは

上製本だけにある「チリ」とは

上製本だけにある「チリ」とは

2020/12/25

本に「チリ」があるのをご存じでしょうか。
ちり? ホコリ? 塵も積もれば山となる?
チリとは、表2・表3( https://double.tokyo/column/detail/20190901000019/ )の余白部分のことで、漢字では「散り」と書きます。
上製本だけにある部位なんですよ。

装幀のセンスが光る場所

表紙を一回り大きくするから

上製本では、表紙を本文より一回り大きく作ります。本文を保護するためです。
この部分を「チリ」と呼びます。
本の厚さや大きさにもよりますが、だいたい2、3mmです。

お手元の上製本のカバーを外し、表紙をめくってみてください。
最初に出てくるのは、厚い上質の紙「見返し」です。
見返し用の紙は、本文と同じサイズに裁断されていますので、表紙の裏側(表2)に貼られている部分は、少し小さめになりますね。
この、見返しに覆われていない余白部分が「チリ」です。
 

天・地・小口を同じ幅に

チリは、 ・本を立てて収納した時に上になる部分「天」 ・同じく下になる部分「地」 ・本文各ページのめくる側(綴じる側ではなく)である「小口」 の、三方を同じ幅にするのが一般的です。 表紙と本文のサイズの差が、そのままチリの幅になります。

建築にもある「チリ」

チリは、漢字では「散り」と書きます。
また、印刷だけでなく、建築でも「散り」という言葉を使うそうです。「二つの材面がわずかにずれた部分」(大辞泉)を指すとのこと。

「チリ」の語源は今のところよく分かっていませんが、印刷・建築ともに、ほんの少しのずれを「散り」と呼ぶことに、何かヒントがありそうですね。
印刷・製本用語は、由来が分からないものが少なくないのですが、それだけ歴史があり、職人だけに通じる符牒が多く生まれてきたということなのでしょう。

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